借入金利はどうやって決めるの?
クレジットカードのキャッシング枠でもそうですが、金融機関などから借り入れた場合、金利がつきます。
例を挙げます。Z金融から10万円を借りた場合、10万円を「元金」といいます。
返済は「元金」と借入金利をプラスした総額となります。当然、借り入れ金利が低ければ低いほど、返済する負担が少ないのは言うまでもありません。
銀行以外の借入金利は、貸金業法で厳格に決められています。
2006年12月に改正貸金業規制法が成立しました。それまでは、利息制限法(上限15~20%)と出資法(同29.2%)のダブルスタンダードが存在し、消費者金融をはじめとする金融業が出資法の上限金利を適用していました。
今では利息制限法(現貸金業法)の上限金利となります。
【貸金業法の借入金利の上限】
・元金10万円未満=20%
・元金10万~100万円未満=18%
・元金100万円以上=15%
グレーゾーン金利が撤廃されたことで、年利30%近くの借入金利だった「高利貸し」業者が廃業していきました。
報道でも周知の通りですが、かなりの数の消費者金融業者が、業績悪化のため撤退しました。
消費者金融の借入金利は大幅に下げられましたが、それでも貸金業法の上限金利が適用されています。
例えば、X消費者金融の借入金利が4.5~20%とあります。Pさんが初めてX金融から30万円を借り入れた場合、間違いなく上限の18%の借入金利となります。
それでは、4.5%の借入金利が本当にあるのでしょうか。
答えはイエスでもありノーでもあります。消費者金融を例にとると、貸出額の上限はほとんどの業者が500万円です。
上限の500万円を借り入れることができれば、最低の4.5%になることが多いです。
後述しますが、500万円を銀行以外の金融機関から借りることができるのは、1500万円以上の年収が必要です。それだけの年収があれば、通常は銀行から条件の良い融資を引き出せるでしょう。
借入金の返済メカニズム
借入金の返済は、いかに「元金」を減らしていくかに尽きます。
元金が減らない限り、借入金利の負担が増していきます。
クレジットカードのリボ払いにも共通します。買い物をしても月々の支払いが一定額ですので、お得感があるように見えます。
しかし、無計画にリボ払いを重ねていくと、支払い回数が増えていきます。当たり前ですよね。極端に言えば、元金よりも借入金利の利息の支払いの方が多くなります。
【60万円を借りた場合の返済事例】(年利15%で12回払い)
・1回目の返済額 5万4154円(借入利息7500円)
・2回目の返済額 5万4154円(借入利息6916円)
・総支払額 64万9848円
※元利均等返済の例
支払い回数が増えるごとに、借入利息が減っていくことになります。
元金が減っていくからです。借入金を返済する場合、このほかに借入金利の数字も重要なポイントになります。
上記の例で年利が15%→16%に上がった場合、総支払額が65万3256円で、15%の年利に比べて3408円も上がります。
さらに、返済を2倍の期間となる24回払いにすると、総支払額が69万8184円にはね上がります。年利と支払い回数が返済において、とても重要だということです。
消費者金融でよく聞かれる総量規制とは?
借入金についてのアウトラインが分かったところで、「総量規制」という消費者金融等でよく聞かれる言葉を目にします。
ひと言で表すと、「借り過ぎ防止」のための法律です。
名称は小難しいですが、簡単でシンプルなものです。銀行以外の消費者金融、クレジットカードのキャッシング枠に適用される法律で、借り入れをする人たちを守るシステムといった方がいいかもしれません。
総量規制は、個人への過度な貸し付けを防止するため、2010年6月18日の改正貸金業法の完全施行によって導入されました。
個人の債務の合計が年収の3分の1を超えてはいけない、という貸付制度です。例えば年収300万円の人は100万円までしか、借り入れることができなくなりました。
この法律が導入された背景には、消費者金融等の過度な貸し付けによって、多額の債務を背負う人が続出。社会問題にも発展し、財務省などが規制に乗り出したのです。
【総量規制対象の主な借り入れ】
・消費者金融
・信販会社
・クレジットカードのキャッシング枠
【総量規制対象外の主な借り入れ】
・銀行等の住宅・自動車ローン
・有価証券を担保にした借り入れ
・不動産を担保にした借り入れ
このほかの総量規制に関すること
上記の例から見ても、実際に総量規制を適用されるような借り入れは、それほど多くはありません。
銀行などの金融機関で融資を受けられれば、総量規制を気にすることもありません。住宅や自動車を購入する場合、銀行、信用金庫などの総量規制の対象外の借り入れをすることが、一般的です。
総量規制の対象となる借り入れは、緊急的な資金の確保や個人属性が低い場合が考えられます。
消費者金融等では、総量規制の例外もあります。
「おまとめローン」を組む場合などが挙げられます。例えば総量規制施行以前から継続している債務を含めて、年収の3分の1を超える「おまとめローン」を組んだとします。
この場合、低い借入金利が導入されるので、総支払額からみると、大幅に安くなります。
不動産関連の法律もそうですが、債務者にとって有利であれば、民法が優先されます。このような観点から、貸金業法よりも民法の解釈に基づいて適用されます。
まとめ
借入金利を抑えるためには、支払い回数を少なくすることが大原則になります。
次々の支払額を見て借り入れの決断をするよりも、支払い総額を見て決めることが大切です。
状況にもよりますが、各金融機関では交渉で借入金利を低くすることもできます。
総量規制もしっかり理解して、いかに効率的な借り入れをするか、綿密にシミュレーションすることも重要になります。
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