分割払いとリボ払いの違い
クレジットカードの「分割払い」と「リボ払い」を同じものだと思っていませんか?
あまりカードを使わない人は、そう思い込んでいることが多いですが、実は違います。
分割払いとは、1つの買い物につき、3回、6回、12回など返済回数を決めて、月ごとに分けて支払う方式です。
カードを利用するごとに希望する返済回数を設定することができます。もちろん手数料がかかります。
例えば、10万円の品物を10回の分割払いで購入する場合
100,000円 ÷ 10回 = 10,000円
月々の支払いは、10,000円 + 手数料で、10ヵ月に渡って支払うことになります。
これに対してリボ払いとは、支払い金額を固定させて、月ごとに一定額を支払う方式です。利用限度額内であれば、いくら買い物をしても支払う額は同じです。
「リボ」とは「リボルビング(revolving)」の略で、原型の動詞「revolve」は「回転する」という意味です。「回転信用」とも呼ばれています。
例えば、10万円の品物をリボ払いで毎月1万円ずつ返済する場合
10,000円 × 10回 = 100,000円
月々の支払いは、10,000円 + 手数料で、10ヵ月で返済が終了することになり、分割払いと同じ結果になりますが、毎月5,000円ずつ返済する場合
5,000円 × 20回 = 100,000円
月々の支払いは、5,000円 + 手数料で、返済が終了するまで20ヵ月かかることになります。
分割払いのメリット・デメリット
クレジットカードで買い物をしたとき、「一括払いですか、それとも分割にしますか?」と店員に尋ねれられることがよくあります。
これは、分割払いにするかどうかを尋ねているだけで、リボ払いのことではありません。
分割払いのメリットは、カードの利用ごとに返済回数を決められること。
カード会社によって、回数を自由に設定できずに、3・5・6・10・12・15・18・20・24・30・36回の中から選ばなければならないこともあります。
ボーナス払いも選択できますので、とても便利です。
分割払いは、リボ払いに比べると、いつ支払いが終わるのかが明確で、計画的に返済をすることができます。
分割払いのデメリットは、年率12~15%の手数料がかかること。
一般的にリボ払いに比べると安く設定されていますが、それでも手数料負担は決して軽くありません。
複数の買い物が重なると、気がついたときには月々の返済額が嵩み、支払えなくなったりしますので、注意が必要です。
そしていったん分割払いを選んでしまうと、あとから支払方法の変更ができません。
分割払いでお勧めなのが2回払い。
ほとんどのクレジットカードでは、2回の分割払いは手数料がかからないので、使わない手はありません。
リボ払いのメリット・デメリット
リボ払いには、大きく4つの種類があります。
- 事前登録:事前にすべての買い物がリボ払いになるように設定することができます。
- 利用後変更:「あとからリボ」「あとリボ」と呼ばれているもので、買い物をしたあと、リボ払いに変更することができます。
- 店頭リボ払い:買い物の際にリボ払いを指定することができます。
- リボ払い専用カード:このカードで買い物をした場合、たとえ一括払いを指定したとしても、すべての買い物がリボ払いになります。
リボ払いのメリットは、月々の返済が一定額なので、家計が管理しやすくなります。
例えば、10万円の買い物をしてリボ払いで毎月1万円を返済する場合、さらに10万円の買い物をしても、月々の返済額の1万円は変わらず、返済期間が10回プラスされることになるだけです。
もう1つのメリットは、リボ払いでは繰り上げ返済が可能なことです。
今月はお金がないからとりあえず1万円を支払い、来月にはまとまったお金が入るので、残りの9万円を繰り上げ返済する。ということが可能なのです。
繰り上げ返済を使えば、手数料を低く抑えることができます。
リボ払いのデメリットは、年率15~18%の高い手数料がかかること。
分割払いと比べても、リボ払いの方が高めに設定されているカード会社が多いようです。
毎月の返済額が一定であるため、買い物をすればするほど、返済期間が延び、その分手数料負担が大きくなります。
結局、どっちがお得なの?
まず2回の分割払いやボーナス一括払いにする場合、ほとんどのクレジットカードでは、手数料がかかりませんから、分割払いにする方がお得です。
次に手数料を比較すると、年率12~15%の分割払いに対して、リボ払いの手数料は15~18%で、数%高くなりますから、この点でも分割払いの方がお得です。
それでは、リボ払いをすると損をするだけなのでしょうか?
いいえ、リボ払いには繰り上げ返済ができるというメリットがあります。
分割払いでは、一度支払回数を決めてしまうと、あとで変更はできませんが、リボ払いでは可能です。
ですから、近い将来にまとまったお金が入る予定があり、それで返済をするつもりであるならば、リボ払いにすれば、繰り上げ返済ができます。返済は、残額の全額でも、一部でも構いません。
リボ払いの陥りやすい落とし穴
クレジットカード会社の収益源は、カードの利用ごとに徴収する加盟店からの手数料と、分割払いやリボ払いによる手数料の2つ。
カード会社にとって、分割払いやリボ払いの手数料は重要な収入源になります。
そのためカード会社にとっては、分割払いやリボ払いをたくさん使ってもらうために積極的に勧誘しています。
例えば、リボ払いにすると、ポイントが2倍溜まるというキャンペーン。
しかし2倍のポイントをもらったとしても、実質年率15%前後の手数料を支払い続けなければならず、決して得にはなりません。
銀行預金の利息が1%以下の低金利時代に、返済のたびに15%前後の手数料を支払うことが、いかにもったいないかはいうまでもありません。
分割払いの場合、買い物ごとに支払回数を設定するため、何度も分割で買い物をすると、月々の支払い額が増えていくので、使った額が肌で感じます。
返済額が危機意識を高めてくれます。
ところが、リボ払いの場合は、月々の支払が一定額のため、どれだけ使ったのかを把握するのが難しく、買い物を続けているうちに、気がついたら利用額が思った以上に膨らみ、3年先、5年先まで返済を続けなければならない事態に陥る危険性があります。
つまり借金をしているという危機感が希薄になってしまうのです。
繰り上げ返済をするつもりがなければ、リボ払いよりも分割払いを選んだ方が無難と言えます。
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