クレジットカードの不正利用の被害が多発
クレジットカードを紛失したり、盗難に遭ったことはありませんか?
このような被害に遭ったときは、直ちにカード会社に連絡を入れて、できるだけ早くカードの失効手続きをとる必要があります。
万一カードが使われて被害が発生したとしても、クレジットカードに付帯する盗難保険が適用されて被害が補償されますので、心配はご無用です。
ただしすべての被害が補償さるとは限りませんので、注意が必要です。
最近は、クレジットカードの犯罪が巧妙になり、気づかないうちに被害を被っていることもあります。
スキミングのようにカード自体を盗まず、中身のデータだけを盗むような手口です。カードが手もとにあるからといって、安心はできません。
偽造や盗難されたカードが、インターネット上で悪用されるケースも増えていますので、クレジットカードの取扱いには、十分に注意しましょう。
被害があっても盗難保険でカバーされるが、適用されない場合も!
クレジットカードには、盗難保険が付帯されています。特別な手続きは不要で、保険料も徴収されないので、認識されていない人も多いですが、ほぼ100%のカードに盗難保険のサービスが自動的に付帯されます。
保険の適用を受けるには、カードの紛失や盗難の被害に遭ったとき、速やかにカード会社の「紛失・盗難窓口」に連絡を入れ、最寄りの警察署に「紛失・盗難届」を提出しなければなりません。
盗難保険が適用されると、被害のすべてがカバーされますが、例外的に補償されない場合がありますので、注意が必要です。
その例外にあたるケースをいくつか紹介します。
(1)カードの裏面にサインをしていない。
裏面のサインは、本人であることを確認して、第三者の不正利用を防止するためのものです。
それを怠ったことにより発生した被害は、カード所有者の責任と見なされ、保険が適用されず、被害も補償されません。
カードが届いたらすぐにサインをしておきましょう。
(2)暗証番号が漏洩している。
暗証番号を忘れると困るので、カードに直接書いたり、メモした紙でカードを挟んでいたような場合、暗証番号の漏洩についてカード所有者に責任がありますので、保険が適用されません。
カードと一緒にしまってある身分証明書に記載された生年月日や自宅の電話番号を暗証番号にしている場合も、同様です。
暗証番号はとても重要です。
第三者が簡単に推測できない番号を選ぶべきです。
(3)カードを他人に貸した。
カードを他人に貸したり、カード情報を他人が使用することを許諾したことにより、不正利用の被害が発生した場合、カード所有者が管理責任を怠ったことになりますので、保険は適用されず、被害も補償されません。
どのような事情があったにせよ、カードを他人に貸してはいけません。
(4)会員の家族などの関係者が使った。
カード会員の配偶者や家族、同居人などの関係者が紛失、盗難等に関与したり、不正利用をした場合、保険は適用されません。
クレジットカードは、会員本人のみの利用が認められ、たとえ配偶者や親兄弟であったとしても利用することができません。
(5)不正利用の発見から期間が経ちすぎている。
盗難保険の補償期間は、カード会社によって異なりますが、「不正利用を発見した日から遡って60日以内の被害であれば補償される」と定めているのが一般的です。
したがって、不正利用されてから60日以内に被害を発見してカード会社に届ければ、補償されることになります。
しかしそうなると、61日以前の被害は補償されないことになりますが、過去に補償されたという例もあります。
申請期限が過ぎているからといって諦めずに、一度カード会社に相談することをお勧めします。
よく行われる不正利用の手口
(1)電車内や飲食店などでのスリ
電車内で眠り込んでいる人の上着のポケットや鞄から財布を抜きとったり、居酒屋で椅子やハンガーにかけたコートや鞄から財布を抜きとるスリの手口です。
現金とカードだけを抜きとったあと、財布をもとに戻されると、すぐには盗まれたことに気づかないこともあります。
いずれもアルコールが入って注意力が散漫になったところを狙った犯行です。お酒を飲んだときは、注意しましょう。
(2)ロッカー荒らし・車上荒らし
ゴルフ場や浴場施設などの暗証番号式のロッカーやセイフティーボックスを狙うのがロッカー荒らし。
暗証番号を入力するのを盗み見たり、隠しカメラで撮影して、持ち主が離れた隙に開錠して財布を盗む手口です。
駐車している自動車の窓ガラスを割ったり、ピッキングをしてドアを開け、車内にある貴重品などを盗むのが車上荒らし。ETCカードがよく盗まれます。
(3)スキミング
クレジットカードに書き込まれた磁気データを「スキマー」と呼ばれる特殊な装置を使って抜きとり、まったく同じ情報をもつ偽造カードを複製して不正に利用することが、「スキミング」です。
カード所有者は、手もとにカードが残っているので、利用明細書を見るまでスキミングをされたことに気づかず、発見が遅れるために被害額が大きくなります。
ロッカー荒らしや車上荒らしで、スキミングが行われることがよくあります。
(4)フィッシング詐欺
実在の銀行やクレジットカード、ショッピングサイトなどを装ったメールを送りつけ、本物そっくりのWebサイトに誘導して、カード番号や暗証番号などのカード情報を不正に詐取するのが、「フィッシング詐欺」です。
よくある手口は、「カードが無効になっていますので、手続きが必要です」
「新しいシステムが導入されましたので、ユーザー情報を再設定する必要があります」
「おめでとうございます! クーポン券が当たりましたので、手続きをお願いします」
などの偽メールを送りつけ、カード情報を騙しとるものです。
(5)個人情報の漏洩・流失
ネット通販を利用する場合、クレジットカードでの決済がとても便利ですが、氏名・カード番号・有効期限・セキュリティコードなどの情報を入力しなれければなりません。
もしこれらの情報が漏洩・流出した場合、不正利用される可能性があります。
最近、カード会社や大手通販会社のカード情報が人為的またはウイルスなどによって大量に漏洩・流失したという事件・事故が起こっています。
「一度も利用したことがないブティックからダイレクトメールが自宅に届いた」
「投資目的のマンションやゴルフの会員権を勧誘する電話が会社にかかってきた」
このようなことが頻繁に起こるようであれば、漏洩・流出した可能性が高いので、注意する必要があります。
不正利用されないための効果的な7つの防止策
(1)カードの裏面には必ずサインをしておく。
裏面のサインは、とても重要なことですので、必ずサインをしましょう。カードの不正利用を防ぐ対策として、まず簡単にできることです。
日本では、サインのないカードでも使うことができますが、海外では、不正利用の疑いをかけられ、警察に通報されることもありますので、注意してください。
(2)暗証番号を推測されやすいものにしない。
暗証番号を忘れるといけないので、覚えやすい生年月日や自宅の電話番号にする人がいますが、これが最も推測されやすい番号です。
通常カードは財布に入れておきますので、同じ財布の中の身分証明書と一緒に盗まれれば、暗証番号がバレバレで、すぐに悪用されます。
4桁の同じ数字(1111や3333など)、自動車のナンバープレートの番号、自宅住所の番地をつなぎ合わせた数字なども推測されやすいので、避けた方が無難です。
(3)利用明細書の内容を必ずチェックする。
盗難保険が適用されるには、60日以内という期間が設定されていますので、毎月送られてくる利用明細書を必ずチェックしましょう。
万一身に覚えのない取引が記載されていたならば、ただちにカード会社に連絡を入れてカードの利用停止を申請しましょう。スキミングの被害に遭っている可能性があります。
会員登録をすると、Webサイトで随時利用状況を確認することができます。このサービスを利用してこまめにチェックするのが、最も効果的な防止策です。
(4)磁気タイプのカードであれば、ICカードに切り替える。
最近のクレジットカードの多くは、ICチップが搭載されたカードですが、まだ古い磁気タイプのカードがいくらか残っています。
磁気タイプだと、スキマーを使えば瞬時にしてカード情報を抜きとることができるといわれていますので、まだ磁気タイプのカードのままであるときは、カード会社にICカードに切り替えるように申し入れしましょう。
(5)妖しいメールやサイトを見つけても無視する。
銀行やクレジットカード会社が、メールでカード番号や暗証番号などのカード情報を確認することはありませんので、このような偽メールが送られてきても、無視するのが一番です。
誤ってメール本文中のリンクをクリックしてしまうと、フィッシングサイトに誘導される危険性がありますので、要注意です。
(6)キャッシング枠を廃止する。
クレジットカードが不正利用された場合、キャッシングの被害も少なくありません。ATMを操作するだけで現金を引き出せ、サインを偽造したり、店員に怪しまれることもなく、犯人側にとって好都合なのでしょう。
キャッシングは暗証番号を入力しないと、取引ができませんので、カードの暗証番号が漏洩している可能性が高く、そうすると盗難保険が適用されないこともあり、被害が甚大になります。
そこで、普段キャッシングを利用しない人は、キャッシング枠を「0」にしておくことをお勧めします。万一悪用されたとしても、キャッシングをされる恐れがなくなるからです。
(7)使わないカードは持ち歩かない。不要なカードは解約する。
使わないカードを持ち歩かないようにしましょう。自慢げに持っているすべてのカードを財布に入れている人を見かけますが、その財布が盗難に遭ったりすると、大変なことになります。
使う予定のあるカードだけを財布に入れるようにしましょう。
それにもう1つ、使わなくなった不要なカードは、解約しましょう。
たとえ年会費が無料であったとしても、不正利用のリスクがある以上、解約した方が安心できます。
以上、クレジットカードを不正利用されないための効果的な7つの予防策を紹介しました。
これで万全! とまではいえませんが、少なくともと7つの予防策をしていれば、被害にあっても少なくすむはずですから、ぜひ実行してください。
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